食道閉鎖症 2連発!

基本的に外人はなるべく働きたがらない。

みんなそんなイメージをもっているだろうが、
それは絶対正しい!と今日、確信にかわった。

天気のいい日曜日。
「なんでこんな日に働かなきゃいけないんだよ」
とグチってる当直医に、
「なにかあったらいつでも呼んでね」
と新参者らしくやる気アピールをしていた。

そしたらメールが来た。
「食道閉鎖症の手術これからやるよ。来る?」

当たり前でしょ!

食道閉鎖症は産まれたときに食道が胃までつながっていない病気で、
緊急手術が必要。もちろん珍しい。
しかも、これが終わったらもう一件あるって!
食道閉鎖症が1日2件なんてさすがケープタウン、と思ったが、
さすがにここでも年に数えるくらいしかないらしい。

ちなみにこの病気は、だいたい生後すぐに見つかって、
すぐに手術となる。
でもアフリカだとそうはいかない。
ケープタウンはまだいいほうだが、こないだ行ったナイジェリアでは、
病院に受診するまで平均生後4-5日、
長くて17日っていうのがあったらしい。
もちろん病院までたどり着けずに命を落としている症例も多いとのこと。

さて、今回の術前のレントゲンは、胃管が途中で止まっちゃう典型的な所見。

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術前に気管支鏡で、気管との瘻孔を確認。

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1件目は指導医が執刀、研修医2人が助手をやった。
無事手術は終わり、外からのぞき込んでいた自分に向かって、
「2件目は第2助手で入ってね」
えっ?!
「トオルが来たから、ワタシは帰るね」と第2助手の研修医が立ち去ってしまった。
えーっ!
たしかに人手は足りてるけど、食道閉鎖だよ?!

2件目は指導医が第1助手に回り、
第1助手をやっていた研修医が執刀をさせてもらっていた。

1件目で指導医の執刀を見て、2件目で研修医が指導を受けているのを真横で見られて、
こんな贅沢な日はない。

2件目の手術も無事終了。

「3件目が来たら今度はトオルが執刀だね」
いやいや、さすがに1日3件はないでしょ。

それにしても途中で帰った研修医、
楽しい日曜日を過ごしているんだろうか・・・。