Winnie Mandela

Bloemfonteinという初めて聞く南ア中央部の都市から研修に来た小児外科医がいる。
同時期にこの病院に来たこともあり、なにかと気さくに話しかけてきてくれる。
うちの病院にいる女医さんに次ぎ、南アで2人目の黒人の小児外科医らしい。

なんかのきっかけで音楽が好きという話になり、
「明日の夜、Jazz聴きに行こうぜ」
と誘われた。

よくわかってるねー。

場所はケープタウン中心部にあるArtscapeという街の大きなコンサート会場。

ネルソン・マンデラの妻、ウィニー・マンデラの
80歳の誕生日記念コンサートのようだ。
ものすごい人だかり。
客の95%は黒人。白人はチラホラ。アジア人は自分一人だけ。

入り口で、ジャンベやバラフォンの4人組がいい音ならしている。
本番のライブに期待が高まるぜ。

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なんとか当日券をゲットしたのが開演時間の20分後。
でもまだみんな全然入ろうとせず、酒飲みながらわいわいやっている。

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「南アでは、基本的に時間通りに始まらないから」だって。
どっかで聞いたことあるな、このフレーズ。
ここでもウチナータイムか・・・

酒も飲んで20時過ぎに客席に座ったが、全然始まらない。
待ちきれない観客が歌い始めた。
その歌と踊りはあっという間に会場全体に広がった。

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歌の意味はわからないが、この一体感はハンパない。
客もふつうの人なのに歌がうまい。なんなんだこの人たちは。

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ウィニー・マンデラ。
南アの女性活動家・政治家として有名だ。
いろいろ批判もされているが、黒人の間では根強い人気がある。

突然、前方のスクリーンで、マンデラ夫妻の歴史を語るスライドショーが始まった。

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そしてついに、ウィニーが会場に現れた。

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大歓声。
皆の合唱が続く中、ウィニー本人が舞台に上がった。
マイクを持って話し出すのかと思ったら、
ウィニーもその合唱に加わり、コールアンドレスポンスが始まった。

この盛り上がりはやばい。

歌や話の内容は部族語なのでまったくわからないが、
自分が今、この人たちにとって特別な場所にいるんだなというのはわかる。

ようやくJAZZバンド登場。
やはり圧巻はボーカルの歌声。コーラスのおねえちゃん3人組もすごい。
そしてボーカルに促されて反応する観客もむちゃくちゃうまい。
みんなすげー楽しんでる。
こんな客相手にライブやったら最高だろうなー

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終わったあとも興奮おさまらず。
同僚が誘ってきた。

「もう一杯酒飲もうぜ」

よくわかってるねー。