なんでこんなに危険なの?!

ラゴスにいる間、よく昼メシを一緒に食っていた地元の若い医者がいた。
本当は海外で研修したいが、最近は経済状況が悪く、
奨学金が出ないため、外に出る機会がないという。

でもアフリカには周りに楽しそうな国がたくさんあるだろうに。
アフリカ内で旅行したりしないの?

「エジプトには行ったことがあるよ。
兄貴が銃でアゴを撃たれて、その治療がナイジェリアではできなかったからね」

近所に買い物に行ったときに、物取りの若者たちに囲まれ、
撃たれたらしい。

「ここはナイジェリアだから。よくある話なんだよ」

そんなのよくあっちゃ困る。

彼いわく、背景にあるのは失業率の高さ。
多くの若者が職に就けない。
街中に、日中からなにもせずぼーっとしている若者をたくさん見かける。

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若くてエネルギーが有り余ってるのに、
仕事もなくてやることもなくて、
でも腹は減るし、家族もたくさんいるし。
一部には金持ちがいる。
金がないなら金があるところから奪うしかない。

「やることがないから、悪いことを考えるんだよ。
仕事があれば、そんなこと考える暇はなくなるよ」

同じようなことを、一緒にジャズ聴きににいった南アの同僚からも聞いた。
彼の地元の南ア中央部の都市も、危険で有名。
地球の歩き方に4ページくらい彼の街が載っていたが、
「治安は決していいとは言えない」と奥ゆかしく書かれていた。

その同僚は、大型犬を2匹飼っている。
自宅にクルマで着くと、家の門をリモコンで開け、
犬小屋のドアをリモコンで開けて犬を放し、
車庫のドアをリモコンで開け、クルマを入れて車庫を閉めて、
ようやく人間がクルマの外へ出られるらしい。
「街中が牢獄なんだよ」と笑っている。

「物取りを一概には責められない。仕事がないけど金は必要。
そうしたらどうする?盗むしかないでしょ」

わずかな富裕層と、大多数の貧困層。
その狭間で生まれる犯罪。
アフリカ全体で抱える根深い問題だ。

その犠牲者の一部が病院に運ばれ、我々が治療する。
医者ができることはなにか。
淡々と治療するしかない。