クルマは大事

ケープタウンは車社会。 自分の車を持っていない人は、 乗り合いタクシーみたいなワゴン車に乗って移動する。 道を歩いていると、ひっきりなしに「乗らないか?」と声をかけられる。 さすがにこれに乗るには勇気がいるなぁ。 トラックの荷台にギュウギュウ詰…

誰のための手術?

2日くらい前から手術延期になっている患児がいる。病名は肥厚性幽門狭窄症。まだ生後1ヶ月。元気なんだけど、胃の出口の筋肉が厚くなっていて、食べたものをどんどん吐きだしてしまう病気。緊急手術の適応ではなく、脱水など補正して万全の状態にしてから手…

How are you? の切り返し

基本的に外人は話し好きだ。 日本で言うところの 「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」 的なやりとりを、あちこちでやっている。 別にこの人が何やってようと気にならないけどなー っていうのはナシ。 とりあえず誰とでもある程度の世間話をできるように…

食道閉鎖症 2連発!

基本的に外人はなるべく働きたがらない。 みんなそんなイメージをもっているだろうが、それは絶対正しい!と今日、確信にかわった。 天気のいい日曜日。「なんでこんな日に働かなきゃいけないんだよ」とグチってる当直医に、「なにかあったらいつでも呼んで…

いろんな医療のカタチ

デンジャラスシティ・ラゴスを脱出し、南アに戻った。やはり明らかにこの国だけアフリカの中で浮いた存在だ。南アだけ先進国。 ラゴスの空港まで向かう道のりでも、すさまじい数の人がいて、クルマすれすれに人が横切っていった。 軒先に出店みたいなのも並…

なんでこんなに危険なの?!

ラゴスにいる間、よく昼メシを一緒に食っていた地元の若い医者がいた。本当は海外で研修したいが、最近は経済状況が悪く、奨学金が出ないため、外に出る機会がないという。 でもアフリカには周りに楽しそうな国がたくさんあるだろうに。アフリカ内で旅行した…

ラゴスで就活

なんでナイジェリアに来たんだっけ?そうそう、学会発表だ。今日から3日間にわたる学会の初日に、自分の番がやってくる。朝8時から一人目のプレゼンテーションが始まる予定だが、ここでももちろんウチナータイム。9時過ぎてようやく始まった。 会場で顔の平…

発言力

ホテル前でバスに乗せられ、会場の入り口でバスから降ろされるので、 一歩も外を出歩かない。 ほんとのナイジェリアには触れられないが、命には代えられない。 バスの窓から見る景色は、まさに喧騒。 いろんな色が入り乱れている。 特に目を見張るのが、おし…

リアルアフリカ

ナイジェリアのラゴスという危険で有名な街に来た。 別に好きこのんでここを選んで来たわけじゃない。 アフリカ小児外科学会という、存在すら初めて知った学会で発表するためだ。 病院の同僚にラゴスに行くと話すと、 「絶対に外を歩いちゃダメだよ」 「クレ…

Winnie Mandela

Bloemfonteinという初めて聞く南ア中央部の都市から研修に来た小児外科医がいる。同時期にこの病院に来たこともあり、なにかと気さくに話しかけてきてくれる。うちの病院にいる女医さんに次ぎ、南アで2人目の黒人の小児外科医らしい。なんかのきっかけで音楽…

Happy Birthday

今日は手術日。執刀は、いつも明るくておしゃれな同僚、黒人の女医さんだった。症例は1歳男児、腹腔鏡下噴門形成術(Lap Nissen)。 日本でやってる手術と道具も術式もさほどかわらない。腹腔鏡での糸の結び方も同じ。遠い世界の全然違う人種の人が、うちら…

外国人が生きる道

この病院はおっきな病院だけに、いろんな部外者がいる。しかも世界各国からだ。見学の学生はだいたいヨーロッパからだし、ケニアやナイジェリアから来てる医師もいる。 一人、小児外科のスタッフクラスのトルコ人医師がいる。うちのProfessorがもともとトル…

こんなもの食べています

世話になっている住まいの美人の奥さんは、料理好きだ。週末には南ア伝統のお菓子、ラスクを焼いていた。 このラスクは、もともとフランス語で「2回焼く」という意味のビスケット(biscuit)を、オランダ人がアレンジし、南アに持ってきたと言われている。 …

悪夢のメール

1年間、海外の病院で働くとなると、猛烈な量のペーパーワークが必要となる。 このケープタウンで働くことが決まったのがちょうど一年前。それからいままでずーっと書類のやりとりが続いた。 出身大学から卒業証書の英訳取り寄せたり、過去の研修病院から研修…

ここがアフリカ?!

今日から本格的に手術室に入った。 すっげーきれい。 オペ室内も最新設備!備え付けカメラもある! そしてオペ室を抜けると一面ガラス張り!テーブルマウンテンを見ながら、ふとリフレッシュできる。 ミャンマーやラオスとはもちろん全然違うし、エチオピア…

勤務初日

ついに仕事が始まった。とにかくスタッフが多い。上級医が3人、研修医が自分を含めて5人、ほかに病棟患者を診てくれる若い医師が4人、その他学生や見学の外国人医師などなど。回診はものすごい数でまわっている。 こんなに多いと手術の執刀数も減っちゃうの…

おしゃれカフェ

天気もいいし、ちょうど屋外に席がある近くのカフェに来てみた。 完全にヨーロッパかオーストラリアみたいな雰囲気。なんかコーヒー以外にも食いもん頼まなきゃいけない雰囲気だったので、一番ちっちゃいものって言ったらスコーンが出てきた。 カフェラテも…

こんなところに住んでいます

ついにケープタウン到着。 さすがに住むところぐらいは決めとかないとと思い、日本にいるときに、病院から紹介してもらった人と契約を交わしていた。飛行場まで迎えに来てくれるという親切っぷり。着いたらいないなんてありえないよなーと思ってたら、ほんと…

インド洋とマダガスカル

海外進出の旅は、早くも機内から始まった。 成田から香港までの4時間のフライトは、隣りに人がいないという幸運に恵まれた。香港から南アフリカまでは13時間もある。また一人だったらいいなあと思っていたら、普通におばさんが座ってきた。 マジか・・・ し…

神に見捨てられた街

出発前夜。 この1ヶ月くらいは、職場の上司同僚、学生時代の友人など、たくさんの仲間に飲み会を開いてもらった。 「なんで南アフリカなんて行くの?」 何度も聞かれた。たしかにそうだ。酔っぱらいながらなんとなくいろいろ答えていたが、その回答はひとつ…

プロフィール

清水 徹(シミズ トオル)東京都三鷹市出身慶應義塾大学法学部卒業後、経営コンサルティング会社に就職退職し琉球大学医学部に学士編入学沖縄県立南部医療センター・こども医療センターにて初期研修在沖縄米国海軍病院で1年インターン札幌・手稲渓仁会病院で…